AI診断支援SaMD(販売名:眼底画像AI診断支援プログラム RA-100)の薬事承認を取得しました

2025.10.02

合同会社G-Data(本社:東京都中央区、代表社員:一般社団法人日本眼科医療機器協会、以下当社)は、AI診断支援SaMD 販売名:「眼底画像AI診断支援プログラム RA-100」(以下、本製品)が2025年10月1日付で厚生労働省より医療機器として製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。

本製品は、健診・人間ドックで施行されている眼底カメラ撮影で得られた眼底画像を解析し、所見の有無を提示し読影医の診断の補助を行います。また、本製品は、日本で初めて眼底画像用のコンピュータ検出支援(Computer Aided Detection: CAD)機能を有するプログラム医療機器です。

【製品概要】
健康診断施設での使用を意図し、眼底疾患の所見の有無を出力する機能を有しています。健康診断や人間ドックの受診者の中には、自覚症状が無くとも、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症といった視覚障害の原因疾患を有している場合があります。特に緑内障は、中途失明率が第一位であることに加え、眼科医療機関で緑内障の確定診断された78%は過去の健康診断で緑内障を指摘されていない症例であったとの報告1) もあります。本製品では健康診断施設で視覚障害の原因疾患となる眼底疾患の有無の診断をサポートすることにより適切な受診勧奨と早期治療介入を行うことで失明を含む視覚障害者の低減に資することを意図しています。

1)Yamada M, Hiratsuka Y, Nakano T, et al.: Detection of Glaucoma and Other Vision-Threatening Ocular Diseases in the Population Recruited at Specific Health Checkups in Japan. Clinical Epidemiology 2020:12 1381–1388

【動作原理】
本製品は、眼底画像に対し、複数の眼科専門医による診断名を正解(GS:ゴールドスタンダード)として機械学習モデルを搭載したプログラム医療機器であり、解析アルゴリズムの開発にはVisual Geometry Group (VGG)19 畳み込みニューラルネットワークを用いています。本製品は、正常、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜静脈閉塞症、黄斑円孔、黄斑上膜、近視性網脈絡膜萎縮/脈絡膜新生血管、乳頭浮腫、網膜色素変性、非緑内障性視神経萎縮の12 クラスそれぞれに該当する内部出力数値を算出し、正常のクラスの内部出力数値の閾値により「所見なし」または「所見あり」を出力します。

<承認情報>

 一般的名称:眼底カメラ用プログラム(10551012)

 販売名:眼底画像AI診断支援プログラム RA-100

 承認番号:30700BZX00250000 

 承認日:2025年10月1日

 製造販売業者:合同会社G-Data

<合同会社G-Data概要>

 社名:合同会社G-Data

 事業内容:人工知能を利用した眼科用診断支援プログラムの製造販売

 代表社員:一般社団法人 日本眼科医療機器協会 

 職務執行者:田中 吉修

 設立年月日:2020年1月6日

 所在地:東京都中央区日本橋室町1-13-5 ⽇本橋⾙新NYビル2F

 許認可:第二種医療機器製造販売業  許可番号13B2X10524

当社は、日本眼科学会の眼科医療データのレジストリを管理する一般社団法人 Japan Ocular Imaging Registry (JOI Registry)が国立情報学研究所(NII)と開発した眼底画像診断補助するAIエンジンのライセンスを受け、医療機器プログラムとして社会実装を目指して開発を進めて参りました。

また、本製品は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携イノベーション推進事業(課題名:AIを活用した眼科疾患診断支援システムの事業化)に採択され、その補助(令和4年度~令和6年度)により開発が進められました。

現在、健診・人間ドック施設の皆さまの画像診断業務をサポートするために、本製品の発売に向けて準備を進めております。医療画像診断の高度化に伴い増大する読影の負担を軽減し、読影時間の短縮、そして見落とし(偽陰性)の減少、並びに不要な再検査や精密検査の削減に貢献することを目指します。

【関連論文】
Miyake, M., Akiyama, M., Kashiwagi, K. et al. Japan Ocular Imaging Registry: a national ophthalmology real-world database. Jpn J Ophthalmol 66, 499–503 (2022).
https://link.springer.com/article/10.1007/s10384-022-00941-0

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